次世代バイオディーゼル燃料の採用
清水建設株式会社
概要
当社は(株)ユーグレナからの発注で、横浜市鶴見区において微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)由来の「次世代バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント」の建設工事に携わり、2018年10月に竣工しました。当社は(株)ユーグレナの株主でもあります。
2020年3月現在試運転調整中ですが、4月予定の供給開始以降、通常の軽油に代替して次世代バイオディーゼル燃料を調達し、首都圏の大型建設工事にて稼働するクローラクレーンを稼働させる他、東京都中央区京橋の本社屋と、江東区越中島の技術研究所を結ぶ連絡バスを走行させる計画です。
説明
当社ではCO2排出量削減の中長期目標「エコロジー・ミッション2030-2050」として、スコープ1と2の排出量を1990年比で2030年に60%削減、2050年に80%削減することを掲げています。
現在、国内の建設工事におけるエネルギー消費は、軽油及び電力がその大部分を占めており、熱量換算で軽油:電力比が 70:30となっています。
中長期目標の達成に向けて、熱量当りのCO2排出原単位、再生可能エネルギーのコストを鑑みると、使用エネルギーの軽油から再エネ電力へのシフトが急務といえますが、建設機械・車両の電動化が求められてはいるものの、大きなトルクを必要とする機種は将来的にも電動化が期待できません。
この状況を踏まえ、2050年時点でどうしても残ってしまう軽油由来のCO2排出量を削減するための布石として、当社は微細藻類ユーグレナ由来の「次世代バイオディーゼル燃料」を採用することとしました。藻類由来のBDFは、生育段階の光合成によってCO2を吸収、即ち、CO2を原料とするという点で、広義でのカーボンリサイクルに寄与するともいえるため、軽油由来のCO2削減のみならず、大規模に社会実装されることによって、チャレンジ・ゼロにも大きく寄与する技術であると考えます。
当社は「次世代バイオディーゼル燃料」を実証段階から導入することによって、実証→本格→大規模プラントへの拡大の後押しにもなることを期待しています。
連携先
株式会社ユーグレナ