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サスペンション部品の超ハイテン材 量産採用へのチャレンジ - 脱炭素社会の実現に向けて

株式会社ヨロズ

概要

 当社では社会貢献を第一義とし、「信頼される経営を信条とする」という経営姿勢に基づき、企業価値を高め豊かな社会づくりへ貢献できる企業を目指しています。

 近年自動車には「環境」「安全」「快適性」などの市場要求が高まっています。EV化によるバッテリー搭載や自動運転システム導入によるユニットの追加により、車両重量が増加傾向にあることから当社が手掛けるサスペンション部品の軽量化は、燃費の向上にも影響するため最重要課題として取り組んでいます。

 また生産においては、最大の効率と徹底したミニマムコストによる省エネ活動の推進によるエネルギーの最小化を図り、太陽光発電システムの導入によりCO₂排出量の削減を目指しています。今後は購入電気についても脱炭素化の検討を進め、燃焼システムについても水素化など革新技術の導入を進め2040年までにカーボンニュートラルへチャレンジいたします。

  

説明

 ヨロズでは、地球環境問題を重要課題として位置づけ企業活動を行っており、これまではISO14001活動を軸に進めてきました。そして製品ライフサイクルすべての領域で環境負荷低減に取り組んでいます。使用段階でのGHG排出量における環境負荷が最も大きく、製品の軽量化は最重要課題であり1gでも軽くすることを目指しています。現在は、従来のハイテン材料強度を大きく上回る980メガパスカル材料の量産採用に向けて開発を進めています。980メガパスカル材料は、従来の材料より強度が高いためさらなる軽量化が可能となる一方、加工の工程が技術的に困難になります。当社はこれまで培ってきた開発力と技術力を生かし、この難しい材料についても課題を克服し30%の軽量化、そして量産を目標に日々開発を進めています。また生産工程では、2015年のパリ協定採択を受け、政府方針・業界団体の動向を独自で調査しそれらに整合のとれた長期目標として2030年度までに原単位で18%削減(2012年度比)を目標に掲げていましたが、政府が発表した『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』を受け、2040年までにカーボンニュートラルにチャレンジすることを決めました。また、これのチャレンジは原単位での削減ではなく総量での削減、ネットゼロを意味しています。A:継続的な省エネ活動によるCO₂排出量の削減、B:再生可能エネルギーの導入の促進、C:購入電力をCO₂ゼロ電力に変更、D:水素など革新技術の導入(生産時のエネルギー転換)、A~Dの4つがCO₂排出量削減シナリオの施策の大分類となっております。

 省エネ活動では、タクトタイム短縮、停止時間のミニマム化、ムダ・ムラをなくす等のCO₂削減に寄与する生産性の向上に継続的に取り組んでおります。また生産拠点での活動を推進するため本社部門と協働で活動に取り組むこともあり、その成果は定期的に経営会議にて報告を行いグローバル含めて水平展開を実施しています。再生可能エネルギーの導入については、すでに設置してあるYOROZUグローバルテクニカルセンター社屋だけでなく、グローバル全社で導入検討を行い2020年にはタイ第2拠点であるY-OAT(ワイ・オグラオートモーティブタイランド社)に使用電力の約35%を賄う500kWのパネルを設置しました。現在はメキシコへの導入が計画されています。今後も導入可能と判断された拠点より速やかに推進していきます。購入電力のCO₂ゼロ化や革新技術の導入は今後の動向を見極め、随時検討していきます。

 すべてのステークホルダーに愛される100年企業を目指し、ヨロズOne Teamで脱炭素を進めていきます。

  

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