EN

カーボンニュートラルな「バイオマスECOカップ」の導入と「ごみ発電電力」を通じたCO₂削減

日清食品ホールディングス株式会社

概要

 日清食品グループでは、脱炭素社会へ向けた挑戦として、「カップヌードル」ブランド製品の容器をカーボンニュートラルな特性を持つ「バイオマスECOカップ」に切り替え始めています。同カップは、業界初のバイオマス度80%以上を実現した環境配慮型容器で、1カップあたりの石化由来プラスチックを従来比約50%削減、ライフサイクル全体で排出するCO₂を16%削減します。

 さらに、食べ終わった後の油汚れなどが付いた即席麺容器は、リサイクルが困難なことから一般的には可燃ごみとして焼却処理されています。そこで、ごみの焼却に伴うエネルギーを活用する「ごみ発電電力」を日清食品ホールディングス東京本社に導入しています。

  

説明

 日清食品グループでは、環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指したさまざまな取り組みを強化しています。中でも「気候変動問題」への対策を最重要課題の1つとして位置付けており、省エネルギーの推進や再生可能エネルギー使用比率の向上などにグループを挙げて取り組んでいますが、工場における再生可能エネルギー比率向上(再生可能エネルギー由来の電力への切り替え、太陽光パネルの設置等)は、脱炭素社会へ向けた今後の大きな課題のひとつです。また、当社グループでは、工場におけるCO₂排出削減のみならず、製品を通じた脱炭素社会実現への貢献も目指しており、直近では以下のようなアクションを通じこれに挑戦しています。

   

1.「バイオマスECOカップ」の採用

 日清食品は、インスタントラーメンのパイオニアとして、おいしさを支える「品質」や商品の「安全・安心」、さらには「環境」や「未来」を追い求めてきました。

 1971年に世界初のカップ麺として誕生した「カップヌードル」は、断熱性、保温性に優れた発泡スチロール (発泡ポリスチレン) 製の容器を採用しました。2008年には、石油のような限りある資源をできるだけ削減し、再生可能資源である紙を使用した「ECOカップ」に変更しました。
 気候変動問題への取り組みをさらに強化すべく、2019年12月から、「ECOカップ」をさらに進化させた業界初の環境配慮型容器「バイオマスECOカップ」を採用し、順次切り替えを行っています。この「バイオマスECOカップ」は、従来の「ECOカップ」が持つ断熱性や保香性を維持しながら、容器に使用している石化由来のプラスチックを植物由来のバイオマスプラスチックに一部置き換えることで、バイオマス度を81%に引き上げた容器です。従来の「ECOカップ」に比べて1カップあたりの石化由来プラスチック使用量をほぼ半減、ライフサイクル全体で排出するCO2量を約16%削減しています。「カップヌードル」が発売50周年を迎える2021年度中を目途に、すべての「カップヌードル」の容器を「バイオマスECOカップ」へと切り替える予定です。

2.「ごみ発電電力」の活用

 食べ終えた後の油汚れなどが付いたインスタントラーメンの容器はリサイクルが困難なことから、一般的には可燃ごみとして焼却処理されています。そこで、焼却に伴うエネルギーを用いた「ごみ発電電力」を使用することで、資源の有効活用につなげていく取り組みとして、2020年3月から、日清食品ホールディングス東京本社の使用電力の50%~100% (発電量により日々変動) を「ごみ発電電力」で調達しています。

  

連携先

 上記「②『ごみ発電電力』の活用」については、電力アグリゲーターであるみんな電力株式会社を通して、ごみ焼却発電施設から生まれる電力を購入しています。

  

補足情報

EARTH FOOD CHALLENGE 2030(日清食品グループ環境長期戦略)

https://www.nissin.com/jp/sustainability/feature/efc2030/

「カップヌードル」は「バイオマスECOカップ」で業界初のバイオマス度80%以上を実現 ~2019年から順次切り替え、2021年全量切り替え完了~

https://www.nissin.com/jp/news/7874 

日清食品ホールディングス、ごみの再資源化に向けて焼却施設から生まれた「ごみ発電電力」を東京本社で使用

https://www.nissin.com/jp/news/8260 

  

類似事例

2050年ゼロエミッションを目指して

日本航空株式会社

> 詳細を見る

48Vハイブリッド車向けエンジン出力軸直結型ISGシステム

三菱電機株式会社

> 詳細を見る

CCS実現に向けた取り組み

日揮ホールディングス株式会社

> 詳細を見る

CO2回収に適した次世代火力発電(酸素吹IGCC)の実現

電源開発株式会社

> 詳細を見る

CO2排出ゼロ飲料・酒類製造に向けた再生可能エネルギー導入

サントリーホールディングス株式会社

> 詳細を見る