段ボール製品の供給によるライフサイクルを通したCO₂削減
レンゴー株式会社
概要
段ボールは木材パルプを原料とした枯渇しない持続可能な素材であり、包装資材などで広く使用されています。また、使用後も9割以上がマテリアルリサイクルされており、木材が吸収した炭素が資源として循環・有効利用されています。
当社ではより少ない資源で大きな価値を生む“Less is more.”をパッケージづくりと環境経営のキーワードとして掲げ、脱炭素社会の実現に向けて、CO₂の排出量削減に取り組んでいます。その一つに包装材を軽量化させることがあり、原材料の調達から製品の使用まで、ライフサイクルの各過程でのCO₂の排出削減が期待できます。あわせて、段ボールの製造拠点においては、再生可能エネルギーの導入を進めていきます。なかでも2022年に当社の利根川事業所に設置するバイオマスボイラでは年間約10万トンのCO₂排出削減を見込んでいます。
説明
当社では、パリ協定での我が国の排出量削減目標に準拠した「2030年に2013年度比26%の排出量削減」を中期目標に設定し、さらなる排出量削減に向けて、「段ボール製品の軽量化」、「太陽光発電システムの導入促進」、「建設廃材由来のバイオマス燃料の活用」に取り組んでいます。
・段ボール原紙の軽量化と段ボールの薄物化による、段ボール製品の軽量化
当社の算定において、段ボール製品のライフサイクルにおけるCO₂排出量の77%が段ボール原紙の製造に、7%が製品の輸送に由来することから、段ボール原紙の軽量化と段ボールの薄物化による段ボール製品の軽量化が、ライフサイクルでのCO₂排出量削減に大きく寄与します。
段ボール原紙の軽量化については、当社が開発したLCC原紙の普及を推進しています。LCC原紙に切り替えることで、強度を維持しつつ、原紙自体が軽量化されることから、原材料調達時および配送時のCO₂排出量の削減が可能です。また、段ボールの薄物化については、AフルートからCフルート、Bフルートから当社オリジナル規格の⊿(デルタ)フルートへの転換を進めています。段ボールを薄くすることで、段ボール原紙の使用量を減らすことができ、また輸送効率が上がることから、こちらも原材料調達時および配送時のCO₂排出量の削減が見込めます。
・太陽光発電システムの導入促進
当社では、2007年に当時の京都工場(現:新京都事業所)で0.4MWの太陽光発電システムを導入しました。続いて、2010年に移転・新設した福島矢吹工場では、昼間の工場使用電力の全てを賄う1.5MWのシステムを導入し、あわせてボイラ燃料にLNGを採用するなど低炭素化を進め、旧工場比で40%のCO₂削減を達成しています。その後、同様に移転・新設した新仙台工場、新名古屋工場への導入をはじめ、既存の工場へも導入を進め、現在、システムを導入した工場は直営で9工場、年間発電量は5百万kWhになっています。当社では、引き続き、工場のリニューアルなどの機会にあわせて太陽光発電システムの導入を進め、CO₂排出量の少ない電力の利用を促進していきます。
・建設廃材由来のバイオマス燃料の活用
当社の製紙工場では、生産工程から発生するペーパースラッジ(製紙原料に適さない短繊維状の木質パルプなど)を、自工場内に設置している焼却炉で焼却・熱回収することで、廃棄物の有効利用および化石燃料の使用量削減につなげています。加えて、八潮工場では建設廃材を燃料とする木質チップバイオマスボイラを設置し、年間6.5万トン相当のCO₂排出量を削減しています。さらに、2022年には利根川事業所への木質チップバイオマスボイラの設置を計画しています。
木質チップバイオマスボイラを新設する利根川事業所では、温暖化問題をはじめとする地球環境保全への取組みとして、2007年にボイラに使用する燃料を重油から環境負荷の少ないLNGに転換し、CO₂の年間排出量を約4.5万トン削減しています。
さらに燃料をLNGからバイオマス主体へ転換することで、年間約10万トンのCO₂排出量削減を見込んでいます。また、主に首都圏で発生する建設廃材を燃料の木質チップとして使用することで、廃棄物の有効利用も図ります。
当社では、引き続き、“Less is more.”を掲げ、資源を有効活用し、地球環境への負荷を低減するとともに、高品質で付加価値の高いパッケージづくりを通じて、より良い社会、持続可能な社会づくりに貢献し、企業としての社会的責任を果たしてまいります。
補足情報
当社環境ページトップ
https://www.rengo.co.jp/environment/lims.html
環境配慮型製品紹介ページ
https://www.rengo.co.jp/environment/development.html