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バイオマス由来や廃棄資源を活用する材料技術による複合機のプラスチック由来CO2排出量のネット・ゼロ化

コニカミノルタ株式会社

概要

コニカミノルタは、廃材を高機能材料に活用する技術をさらに発展させるとともに、バイオマス由来の材料の活用技術を構築することで、複合機の本体や消耗品(トナーなど)に使う石油由来材料を転換し、プラスチック由来CO2排出量のネット・ゼロ化の実現を目指します。バイオマス由来材料や廃材を複合機などの高機能材料として活用するためには、一般的に石油からのバージン材に比べて性能が低下するとともに製品品質が安定しにくいという課題があります。コニカミノルタが長年使ってきたコア技術の1つである材料技術、成形加工技術を発展させ、材料開発、材料選択、加工技術を組み合わせ、新しい樹脂開発を進めます。本技術を実用化すれば、コニカミノルタの複合機への展開だけでなく、コニカミノルタが構想する環境デジタルプラットフォームを通じて、様々な企業と技術を共有し、連携の輪をグローバルに広げ効果を飛躍的に大きくしていきます。

説明

世界には、まだ使用できるにもかかわらず廃棄されている資源が大量に存在します。新たなリサイクル技術や、グローバルな廃材回収・輸送方法などの開発により、これまでになかった資源循環利用を呼び起こすことができます。コニカミノルタでは、大量に存在しながらも有効なリサイクルが課題となっている資源として、ペットボトルやミルクボトルなどに着目。独自の材料技術、生産技術を活かして、使用済みの資源を複合機などの高機能材料として活用する「アップグレードリサイクル」に成功しています。そして、この技術をパートナー企業と共有して、新たな資源循環のスキームを構築してきました。
2030年に向けてはこの廃材を高機能材料に活用する技術をさらに発展させるとともに、バイオマス由来の材料の活用技術を構築することで、複合機の本体や消耗品(トナーなど)に使う石油由来材料を転換し、プラスチック由来CO2排出量のネット・ゼロ化の実現を目指します。
バイオマス由来や廃材を複合機などの高機能材料として活用するためには、劣化状態が様々な原材料を使いこなして製品に適用する必要があるために高度な技術が要求されます。一般的に石油からのバージン材に比べて性能が低下するとともに製品品質が安定しにくいという課題があります。例えば、高い衝撃性や難燃性、良好な成形性、さらには材料に含まれる不純物の除去などが必要となります。
上記課題を克服しゼロ化を実現するために、コニカミノルタが長年使ってきたコア技術の1つである材料技術、成形加工技術を発展させていきます。例えば既に実用化しているPETボトル由来の再生材では、他の樹脂と混合させるポリマーアロイ化を採用しました。PETとポリマーアロイ化する対象樹脂には、物性で靭性が高く強度があり、難燃性に優れ、リサイクル材料の安定供給が可能なPCガロンボトル由来の材料を選択しました。このような材料開発、材料選択、加工技術を組み合わせ、新しい樹脂開発を進める計画です。
本技術を実用化すれば、コニカミノルタの複合機で展開していきますが、その効果には限りがあります。コニカミノルタでは多くの企業と共同で環境技術・ノウハウを共有・発展させていく環境デジタルプラットフォーム構想を進めています。こうした技術を様々な企業と共有し、連携の輪をグローバルに広げることで、地球環境問題の解決に対する貢献を飛躍的に大きくできると考えています。

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