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電気自動車用モータ・インバータの開発

株式会社明電舎

概要

明電舎では、世界的な気候変動問題や環境規制の強化により需要拡大が見込まれるEV用モータ・インバータなどのEV事業を成長事業と位置付けています。
「100年に一度の大変革」とも言われる自動車の電動化・デジタル化に向けた流れが加速しており、電動車の大幅な市場拡大とEV用モータ・インバータの小型・高効率化への要求の高まりから、「中期経営計画2020」において積極的にリソースを投入することで、市場環境に合わせた生産体制を確立し、自動車関連事業での事業規模の拡大を目指しています。

説明

1. 自動車業界を取り巻く環境と今後の技術動向
ガソリン車やディーゼル車から電気自動車に移行する“EVシフト”が加速しており、これは「100年に一度の大変革」とも言われています。将来的にガソリン車やディーゼル車の販売禁止を発表した欧州各国、国を挙げてEV/PHEVの普及を進める中国など、世界各国で自動車の電動化に向けた流れが加速しています。技術面からは、バッテリー性能の向上などもあり、電気自動車の市場が大きく拡がる素地は出来つつあります。
こうした中で、これからのEV駆動システムに求められるのは、①小型化、②出力密度向上、③価格低減です。1回の充電当たりの航続距離を伸ばすための小型・軽量化と損失低減に取り組むことが重要となります。また、電動車の車両価格はガソリン車に比べて高いため、国が補助金を出しています。これをガソリン車並みにするためには、EV駆動システムにおいても価格低減に取り組む必要があります。

2. モータ・インバータの更なる小型化を目指して
モータとインバータはEVの根幹をなす主要部品です。高効率化や軽量化に加え、床面がフラットで車内空間が広い自動車に対応するため、部品の小型化が強く求められています。
小型化に向けて、モータでは、永久磁石の性能向上やモーターコアでのエネルギー損失(鉄損)の抑制に取り組みます。インバータでは、冷却技術の向上や要素部品の一つであるコンデンサーの小型化や低損失化に取り組みます。そして、更なる小型化のため、モータとインバータを一体化するユニットを開発中です。一つのケースに納めることができ、配線も短くできるため、モータとインバータを別々に搭載した場合と比べて設置体積を30%削減でき、重量も15%軽くなります。2017年から試作品を展示会に出展するなど、いつでも量産に入れる状態です。場合によっては、モータとインバータを別にした方が良いケースもありますが、一体型が適した構造であればそのメリットはかなり大きくなります。
これらにより、2020年までにインバータの体積当たりの出力を2009年比で約5倍にまで高める計画です。2025年までにはインバータに使うパワー半導体を現在のシリコン(Si)から次世代材料の炭化ケイ素(SiC)に置き換えることで、体積当たりで2009年比15倍の出力を目指します。

3. EV用部品の量産設備を増強
現在は100%子会社である(株)甲府明電舎でEV用モータを、また、沼津事業所でEV用インバータの生産をしておりますが、2018年7月に新たな量産案件の受注獲得に向け、国内の沼津、名古屋、甲府の3事業所に合計で約70億円のEV用部品量産設備の増強を決定しました。
今回の投資では、新たに名古屋事業所をEV用部品の製造拠点に加え、量産ラインの構築を行い、年間17万個のEV用モータ・インバータ一体機の生産体制を構築する計画です。
また、(株)甲府明電舎においても、建屋の新設及び量産設備の増強により、EV用モータの生産能力は、既存の生産ラインとあわせて年間37万個となります。名古屋、甲府の各事業所に導入した量産設備は2019年度に量産を開始する予定です。沼津事業所のEV用インバータの生産設備の増強は完了し、年間25万個の生産能力に引き上げ、2019年4月より量産を開始しています。

4. グリーンボンドの発行
2019年7月に、EV用モータ・インバータの量産設備資金を使途とする公募形式によるグリーンボンドを発行しました。グリーンボンドの発行により、資金調達リソースの拡大を図るともに、当社の環境への積極的な取組みについて、幅広いステークホルダーの皆様に理解を深めていただくことを企図しています。

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