革新的ガス発酵技術の開発・普及・実装
三井物産株式会社
概要
三井物産は、CO2やCOを含む産業排ガスをエタノールやイソプロパノールといった燃料・化学品に転換する、世界で唯一のガス発酵技術を商業展開しているLanzaTech社(以下、LT)に出資し、戦略的パートナーとして当社の総合力とLTの技術を組み合わせることで、気候変動の緩和に資する新たなビジネスを創造したいと考えています。現在は、当社事業パートナーとの事業開発、物流機能の提供、共同研究開発パートナーの紹介の3つの面でLTを支援しています。
説明
三井物産は2014年3月、ニュージーランドで設立され米国に本社を持つスタートアップ、LTに出資しました。LTの技術は、製鉄所や製油所からの排ガスを大規模に有効活用できることから、食と競合しない製品をつくり出せる点が大きな特長です。
2018年5月、中国河北省で、製鉄所の排ガスからLTの技術を用いてエタノールを製造する第1号商業プラントが稼働しました。中国では2017年に、10%の燃料用エタノールを自動車用ガソリンに混合するという「E10政策」を2020年までに全国に普及するという目標が打ち出され、エタノールの需要が急速に高まっています。現時点でのエタノール生産量では全く供給が足りていない上に、それらエタノールの99%は食物由来です。当社は今後、本プラントと同様のプラントを中国全土に順次複数建設することで、食と競合しない、より環境付加価値の高いLTのエタノール普及に努めたいと考えています。
また、エタノールを原料としたバイオジェット燃料も形になりつつあります。2021年からは、国際航空機関(ICAO)によるCO2排出規制が開始されることもあり、活用の場はさらに広がるとみています。
社会、当社それぞれが持続可能でなければ、本当の意味での発展はあり得ません。それを成し遂げるためにも、当社機能を最大限に活用して新たなビジネスモデルや技術を世に送り出し、それをスタンダードにすることで持続可能な世界の実現に貢献することを目指しています。
連携先
LanzaTech Inc.