環境配慮型製品の開発によるCO2排出削減
株式会社フジクラ
概要
フジクラグループでは、2050年に工場からのCO2排出ゼロにチャレンジしています。その一環として、色素増感太陽電池(DCS)、高温超電導線材など環境配慮型(省エネ、再エネ)製品の開発を行っています。
色素増感太陽電池は、これからのIoT社会において電力の供給無しで作動するセンサーネットワークの構築に不可欠です。高温超電導線材の開発によって、電力輸送の大きなロスが削減され、大きな省エネとなります。
説明
色素増感太陽電池
エネルギー変換(光⇒電気)効率が、光の弱い場所でも比較的高い効率を維持できるため、室内で使用されるセンサーなどの電源に最適で、センサーなどの機器を作動させるための電力供給を必要とせず、いわゆる再生可能エネルギーでネットワークの電力すべてをまかなうことが出来ます。DSCがセンサーネットワークに搭載され
① 10,000台が使用されている状況(普及初期)でのDSC自体の発電量
② 1,000,000台が使用されている場合(本格普及期)でのDSC自体の発電量
を試算してみました。
各DSCが平均して 1,000 lx × 8hr/day の照射を受けるとして
①の場合、58.4 kWh/y (⇒58.4×0.000512=0.03トン-CO2/年)
②の場合、5840 kWh/y の電力を賄うことが出来ます。(⇒3.0トンーCO2/年)
高温超電導線材
レアアース系の超電導線材は、液体窒素温度で超電導状態となり、電気抵抗がゼロになります。これを電力ケーブル導体として用いることによって、電力輸送時の電気抵抗によるロスをゼロにでき大きな省エネルギーに貢献できます。また、電力ケーブル以外にも、MRIなどの医療機器、NMRなどの分析機器などにも応用でき、それぞれの分野での省エネルギーに貢献できます。当社は1987年に高温超電導材料が発見されて以来、精力的にレアアース系高温超電導線材の開発を進め、世界トップレベルの性能を実現して参りました。現在、量産製造技術開発を進めており、線材の更なる長尺化、低コスト化に向けた開発を進めています。また、超電導コイル等の応用開発も積極的に行っています。当社は、今後もレアアース系高温超電導線材およびコイル製品の提供により低炭素社会の実現に向けた研究開発活動を進めて参ります。