次世代電池用高性能部材の開発
日本バイリーン株式会社
概要
・固体、液体を問わない電解質に対応する超薄型のセパレータ、支持体の開発を行う。これにより電池の高容量化を図り、かつ電池抵抗を限りなく低く抑えることが可能となり、エネルギー効率の高い電池を実現する。
・化石燃料に代わる再生可能なエネルギー貯蔵に貢献することにより、結果CO2削減に寄与する。
・最終的には上記技術を発展させ、将来CO2削減に大きく貢献できるような革新的電池の開発を目指す。
説明
電気エネルギーを繰り返し充放電できる二次電池は、脱炭素社会実現に必須の技術と考えられている。太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーを無駄なく使用するためには二次電池が必要であり、車載用を中心とした輸送用途でも二次電池の使用が進んでいるものの、さらなる高性能化、安全性向上、低コスト化などが課題となっている。上記状況を打破するために、さまざまな次世代電池の開発が検討されているが、多くの課題が存在しており、その一部を克服するために弊社としては下記の開発を進める。
● ~2030年
・現行アルカリ電池用セパレータに対し、限りなく均一で薄くかつ機械的強度の向上を図り、不織布技術を用いて破断しないセパレータを開発する。また、それに適した超高強度極細繊維などの開発を行う。
・燃料電池、全固体電池など向けに高分子並びに固体に適した支持体の開発を行う。
・並行して、電池能力を最大限に発揮するための熱マネージメントとして、電池パック用の高性能断熱材の開発を行う。
・上記活動を通した新規高性能技術への寄与、その技術の拡大により大幅なCO2の削減に対し貢献する。
● ~2050年
・2030年まで実施する基礎的な部材の開発をベースとして、さらに発展させた下記部材の開発をするとともに、将来有望な電池系を見いだす。
① その有望な電池系に適した高性能薄型セパレータの開発
② 高性能な電解質支持体の開発
③ ナノファイバー、ナノ粒子技術を用いた超高性能な電極の開発
④ ナノファイバー、ナノ粒子技術を用いた超高性能な断熱材の開発
→ 自社技術を融合させた電池および関係部材の開発を目指す。
・その他蓄電技術として、キャパシタ関係では、マイクロエナジーハーベスト技術に適した高性能なキャパシタ用セパレータ部材への応用も図る。もちろん、この電池はマイクロエナジーハーベストで集めた電力も貯蔵できるものとする(この技術は2050年以降に医療用の電池向けなどで発展するとも予想される。)。