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アスファルト舗装材料の化石燃料を使用しない低温混合技術

日本道路株式会社

米国で作られたマイクロ波加熱プラント

概要

一般にアスファルト舗装は、通常使用する材料を150~180℃に加熱し混合したアスファルト混合物を路面に敷き均し施工を行う。本チャレンジではアスファルト混合物の製造温度を100℃で製造し施工する技術を開発する。
製造温度60℃の低減によりCO2排出量は重油を使用した試算で約30%低減する
さらに、製造温度を100℃としたことにより通常石油燃料を使用する加熱装置が電気エネルギーを使用するマイクロ波加熱装置とすることが可能となり製造時の温室効果ガスの排出量をゼロとすることを実現する
過去には海外で1990年頃にマイクロ加熱アスファルトプラントが作られたが当時の技術は加熱温度が170℃程度必要なため経済性、生産能力の面で活用されることはなかった。
本開発では、製造温度を低減することで設備の小型化、エネルギー効率の向上が期待できる。

説明

本開発を実現するためには以下の2点の技術が必要となる

1. 製造プラントの開発
材料加熱はマイクロ波(電気)を使用する技術を開発する。マイクロ波は材料中の水分を振動させて加熱する技術であるため、マイクロ波を使用して骨材を加熱する場合、水の沸点である100℃が上限となるため、100℃でアスファルト混合物を製造する技術を開発する
アスファルト混合物の主成分(95%)である骨材は、通常水分を含んでいる。アスファルト混合物中に水分が存在するとバインダを剥離させ完成した舗装の耐久性を著しく低下させる。骨材中の水分を除去するため、マイクロ波による加熱を行い骨材の昇温と水分除去の2つを同時に行うシステムであるためエネルギー効率が良いく電気エネルギーを使用するためCO2排出量がゼロとなる。
マイクロ波加熱プラントの実用化の課題は以下の2点である
・電磁波漏洩防止技術
・加熱エネルギー効率の向上
・時間あたり材料を60t程度加熱する大規模設備

2. アスファルトバインダーの開発
アスファルト混合物を製造するためには、バインダを適正な粘度となる適正な温度で骨材と混合する必要がある。一般にアスファルト混合物の適正な混合温度は160℃前後である。この混合温度を100℃とするためにはアスファルトを改質し100℃で適正な混合に適する粘度とする技術が必要である。粘性を調整すると交通供用時の温度である60℃でも粘度が低下しわだち掘れが発生する。
このため開発するアスファルトバインダは、100℃付近では粘度が低く、60℃以下では、弾性体として性状を有するものを開発する。

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