浮体式洋上風力発電設備の普及拡大
戸田建設株式会社
概要
戸田建設は浮体式洋上風力発電について、2013年10月に日本で初めて設置した実証事業での実績を踏まえ、日本で最初の再エネ海域利用法による指定を受けた長崎県五島市沖での「五島市沖洋上風力発電事業」への挑戦など、普及拡大に取り組んでいます。
日本の主力電源を担うべく、確かな実績に基づく、量産化、施工の効率化、O&M、撤去、リサイクルまでを考えた、トータルソリューション「Anyone Anywhere As you like」を提供しています。これらの取り組みにより、安定、安価な再生可能エネルギーの大量供給による、ネット・ゼロ社会とエネルギートランジションの早期実現、地域分散電源開発によるレジリエンスの強化にチャレンジしています。
説明
2050年の日本では、1兆2000億kWhの電力が必要と考えられていますが、IEA(国際エネルギー機関)の報告書によれば、日本の浮体式洋上風力発電のポテンシャルは、9兆kWhとその7.5倍におよび、これらの実用化がネット・ゼロ社会実現の鍵です。
しかし、浮体式はコストが高いと考えられており、その普及は進んでいません。一方、日本は浮体式の技術では世界のトップ3におり、世界をリードする立場にあります。
そこで、戸田建設では普及促進のカギとされる「量産化」と「施工の効率化」による低コスト化に取り組んでいます。具体的な方策は、以下の通りです。
・ ハイブリッドスパー構造
一般的コンクリートと鋼材を使った単純な円筒構造を採用し、小規模な鉄工所や中小建設会社での建造が可能です。
・ 省面積高速化建造システム
生産を工場のようにライン化し、地域の小規模な港湾においても量産が可能です。
・ 半潜水型スパッド船と多機能船
浮体式の建設のため、2隻の専用船を自社で建造、保有することで、現地施工を効率化し期間を短縮、設置コストを大幅に削減します。
このように、Anyone(地域の会社で)、Anywhere(地域の港湾で)、As You Like(地域のニーズに合わせた)トータルソリューションにより、浮体式洋上風力発電の大量生産と大量設置の実現にチャレンジします。