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様々な用途に対応する「グリーン冷媒」の実現

AGC株式会社

AGCによる商業生産または開発中のグリーン冷媒一覧

概要

空気を冷やすために用いる冷媒(ガス)は、空調機器や冷凍冷蔵機器の性能の鍵を握る要素のひとつです。省エネに繋がる優れた熱物性はもちろんのこと、万が一の漏洩を想定した低毒性や不燃性、オゾン層を破壊しない等の様々な特性を兼ね備えている必要があります。従来、冷媒として『代替フロン類(HFC)』が使用されてきましたが、地球温暖化への影響が極めて高いという課題がありました。そこで、HFCの使用量を段階的に削減し、地球温暖化への影響を大幅に低減した『グリーン冷媒』へ切替えていくことが、国際的に合意されました。
この新たな課題に対して、AGCは化学品事業で培ってきた分子設計や有機合成の技術を活かし、用途に応じた3種類のグリーン冷媒の開発(組成や独自製法)に成功しました。それら全てのグリーン冷媒の量産・供給実現にはまだまだ困難を伴いますが、次世代冷媒ブランド AMOLEA®(アモレア)のもと、グリーン冷媒の普及と安定供給に努め、世界全体の温室効果ガス削減に貢献していきます。

説明

空気を冷やすために用いる冷媒は、空調機器や冷凍冷蔵機器の性能の鍵を握る要素のひとつです。省エネに繋がる優れた熱物性はもちろんのこと、万が一の漏洩を想定した低毒性や不燃性、オゾン層を破壊しない等の様々な特性を兼ね備えている必要があります。従来、冷媒として『代替フロン類(ハイドロフルオロカーボン;以下HFC)』が使用されてきましたが、地球温暖化への影響が極めて高いという課題がありました。そこで、HFCの使用量を段階的に削減し、地球温暖化への影響を大幅に低減した『グリーン冷媒(ハイドロフルオロオレフィン(以下HFO)やCO2等の自然冷媒)』へ切替えていくことが、国際的に合意されました。また、断熱発泡体の製造に用いられる発泡剤、半導体や精密機器部品の洗浄や製造工程に使用される洗浄剤についても、同様な切替えが求められています。
グリーン冷媒(冷媒、発泡剤、洗浄剤等)にはこれだけ多く特性が求められるため、それぞれの用途に応じた化学物質が使い分けられていく傾向にあります。また、例えば燃焼性と地球温暖化への影響低減は二律背反(トレードオフ)の関係にあり、その最適なバランスを兼ね備える化学物質を見出し、それらをできる限り安く、安定的に大量に生産できる工程を開発し、実現していくことは極めて難しく、世界の化学品メーカーが鎬を削っているところです。
AGCは次世代冷媒ブランド AMOLEA®(アモレア)のもと、これらの課題に対して、化学品事業で長年に渡り培った分子設計や有機合成の技術を活かし、用途に応じた3つのグリーン冷媒の開発(独自化合物2種、独自製法3種)に成功しました。開発されたHFO製品は、それぞれ冷媒(AMOLEA® 1234yf、AMOLEA® 1224yd、AMOLEA® X and Y series)、発泡剤(AMOLEA® 1224yd)として主に用いられ、従来品と同等の安全性(不燃性或いは微燃性、低毒性)や性能を維持しながら、地球温暖化係数は大幅に低減されました。また、独自の反応プロセスや高効率な反応触媒を開発することにより、従来製品のケミカルチェーン(製造プロセス)を最大限に活かしながら、2種類の新規HFO製品の商業生産と市場への安定供給を実現しました(2015年~2019年)。
今後、これら3種類のHFO製品への切替えが、日本をはじめ世界各国で進むことにより、持続的な環境負荷の低減と地球温暖化の抑止に繋がることが期待されています。

連携先

AMOLEA® 1224yd、及びAMOLEA® X and Y seriesは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として開発しました。
『高効率低GWP冷媒を使用した中小型空調機器技術の開発』
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100114.html

補足情報

NEDO総合指針(持続可能な社会の実現に向けた技術開発総合指針)
環境・化学分野 Vol.6 地球環境対策(フロン)分野 2015年10月30日
https://www.nedo.go.jp/content/100763661.pdf

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