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「カーボンニュートラルな成長」に向けた取り組み(航空分野)

ANAホールディングス株式会社

概要

ANAグループは航空分野において2021年以降のCO2排出量を増加させない「カーボンニュートラルな成長」にチャレンジします。
また、2050年までに国内・国際航空におけるCO2排出量50%削減(2005年比)を目指します。

説明

ICAO(国際民間航空機関)は2016年の総会で2021年以降、国際航空においてCO2排出量を増加させない「カーボンニュートラルな成長(CNG2020)」を宣言しました。ANAグループはこれに追従し、ICAOが提唱するCO2排出量抑制4本柱と、総会で決議されたCORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)に基づき、航空機から排出されるCO2量の正確な測定のためのシステムを構築すると共に、2019年1月から2020年12月末までの排出量の平均値を基準とし、増加分をSAF(バイオジェット燃料など(Sustainable Aviation Fuel))の導入や市場メカニズム(排出権クレジット)の活用でオフセットします。

ICAOが提唱するCO2排出量抑制の4本柱

1) 航空機に関する技術革新:低燃費機材・エンジンの導入
課題:
① 航空機・エンジン製造メーカーの限定
② 現在の技術水準で電気駆動エンジン・電気飛行機は見込めない
⇒ 導入目標:2050年度100%(2018年度末75.9%)
ボーイング787などの省エネ機材導入(1機当たりCO2削減率20%)

2) オペレーション上の改善:エンジン洗浄、最適高度・航路・スピード・重心位置での運航など
課題:
① 空港管制(航路・高度)方式の改善
② 空港施設の改善:航空機用地上電源の確保(航空機搭載発電機利用抑制)
⇒ 管制方式の変更は法規制改正が伴う、定航協などの業界団体を通じて国や空港運営会社と調整、空港を管轄する国や県などへ設備整理を依頼

3) SAFの導入:化石燃料起源でないジェット燃料の使用
現在のSAFは、原則、航空燃料ケロシンと混合(最大50%)する
課題:現在の世界SAF市場は需要の0.1%以下と供給量が極端に少なく、製造が欧米に偏重、アジア・日本国内には商用化した製造工場が不在、価格はケロシンの2.0倍以上
国内: SAF市場が未成熟、商用化に向けた国の支援体制構築、補助金制度など
海外: SAF市場が欧米に偏重、補助金制度で価格は適正化しているが、需要過多のため市場での取り合いとなる、国内での使用には輸入コストが高い
⇒ 国内:エネ庁・NEDOが支援するプロジェクトへの参加、商用化の共同検討、参画
海外: 欧米やアジアの商用化予定のSAFの開拓・調査、CO2削減率が高いSAF購入の確保、契約締結にむけた調整

4) 排出権クレジットの活用:他産業で比較的安価に削減したCO2排出量の購入
課題: ICAO総会で承認されCO2削減の対象となるクレジットが国内に不在
⇒ 海外:ICAO認証クレジット購入に向けた調査、交渉、契約締結
国内: 関係官庁と協力し国内クレジットのICAO認証取得支援

連携先

・ 海外:国連機関ICAO、業界団体IATA、
・ 国内:国交省、経産省・エネ庁、定航協、国内空港運営会社など

補足情報

1. ANAホールディングス 統合報告書(2019年度)
https://www.ana.co.jp/group/investors/irdata/annual/pdf/19/19_00.pdf​​​​​​​
2. ANAホールディングス
https://www.ana.co.jp/group/
3. ANAホールディングス プレスリリース「SAFを利用」
https://www.anahd.co.jp/group/pr/201901/20190107-2.html
4. ANAホールディングス プレスリリース「ランザテック社との締結」
https://www.anahd.co.jp/group/pr/201906/20190614.html

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