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車のゼロ・チャレンジ

セコム株式会社

図1. 2050年に向けた車両燃料に起因するCO2排出ゼロへのステップ

図2. 2050年に向けた4つのカテゴリーのゼロ・チャレンジへの道程

概要

セコムは、「あらゆる不安のない社会の実現」をミッションに掲げ、様々なリスクに対し、日々の生活やビジネスの流れが止まらないよう、「安全・安心」を社会に届け続けることを目指しています。セキュリティ事業を中心に国内240万件以上のご契約先の「安全・安心」を見守るために、約4,000台の車両を使用しており、弊社のCO2排出量の約50%は車両燃料に起因します。そのため、CO2排出量削減を重要課題の一つと捉え、「くるまのエコ」に取り組んできました。
2020年以降は、AI/IoT技術を活用した遠隔監視によるサービス水準向上と業務効率の向上を図ることで、車両の使用回数を減らしCO2削減を推し進めると共に、2050年に向けて車によるCO2排出ゼロにチャレンジし、サステナブルな社会の実現を目指します。

説明

セコムは2050年に向けて車両燃料に起因するCO2排出ゼロに目指すにあたっては、徹底的に「減らす」チャレンジと、次の「無くす」チャレンジの2ステップで行います。CO2排出を「減らす」ために ① 遠隔監視技術の向上と業務効率化による車両走行距離削減、② 車両のトップランナー車への切替施策を実践し、「無くす」ためにCO2排出ゼロ燃料の使用(well to Wheel Zero)にチャレンジします。

① 業務効率化による車両走行距離の削減
デジタル革新によるAI/IoT技術を活用して、防犯センサー及び防犯カメラからより正確且つ高精度な情報を収集し、遠隔監視のサービス水準向上と共に業務効率の向上を図ります。現在は画像技術、センシング技術、AI技術を活用した自立型小型飛行監視ロボットによる立体的な監視サービス(屋外の監視)などを提供していますが、今後はより正確で精細な画像技術、センシング技術、追跡技術などを活用することで警備員の出動にメリハリをつけることが可能になります。これにより車両の使用回数を大幅に減らして、車両燃料に起因するCO2排出量削減を行います。
また、これらのAI/IoT技術の向上によってCO2排出を削減するだけでなく、これから起こりうる人口減少課題に対して、少ない人員で少子高齢化等に対応した手厚いサービスをご提供することが可能になります。
<課題>
屋外監視サービスは天候の影響を受けやすく、今後天候の影響を受けにくい機器の開発や通信精度の向上が必要です。

② 車と電気の選択によるゼロ・チャレンジ
セコムでは、いまある車の中で最も燃費が良く排出ガスが少ないトップランナー車に積極的に車両を代替する施策を行っています。このための管理ツールとして、イントラネット上に「車両管理システム」を構築しており、これにより約4,000台の車両の走行距離、給油量、燃費などのデータ集計・分析が可能です。車両選択の際には、担当部署が1台1台のデータを分析して、用途、駆動、特殊装備の有無などにより分類し、車のカテゴリーごとにCO2排出が最小となるように最適な車を選定しています。例えば、走行距離が短い車に関しては、単純にハイブリッド車や電気自動車に代替しても、車両の製造過程で発生するCO2が多いことを考慮すると、車のライフサイクルCO2排出量の削減に繋がりません。
2020年以降もこの切替施策を続けるなか、電気自動車と燃料電池車を積極的に導入して全ての車両のZEV化を図る(tank to Wheel Zero)と共に、CO2排出ゼロ燃料の使用によりゼロエミッションを目指します(well to Wheel Zero)。
図2は、2050年に向けた4つのカテゴリーのゼロ・チャレンジへの道程を示しています。

また、全国の事業所に電気自動車・燃料電池車の配置を進めて行くと、これらの車両は大容量のバッテリーを搭載しているため、停電発生時には事業所へ最低限の電気を確保すると共に、地域の災害支援を行うことが可能になります。災害発生時の事業継続性を高める施策と連携させながら、車のゼロ・チャレンジを推進します。

<課題>
・ 電気自動車の充電時間
当社では業務の性質上24時間交代で走り続ける車両が多数あります。そのため自社施設での充電が出来ない状況では、街中の給電スタンドで短時間に充電が行えること、あるいは、車の電池がカートリッジ式で交換できるようになることは、重要な課題です。

・ 給電スタンドの電気
電気自動車に石炭発電由来の電力を使っていては、CO2排出ゼロにはなりません。街中の給電スタンドで、再生可能エネルギー由来の電力を選択できることが必要です。

これらの課題を解決し、車のゼロエミッションを行うには、電力会社、自動車メーカー、ガソリンスタンドなどがそれぞれの立場から、電気自動車・燃料電池車の本格的な普及のための統一規格や制度面の環境整備を協力して推進することが必要です。弊社はそのような活動を積極的にリードして、車によるCO2排出をゼロに出来る社会の実現を共に目指します。

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