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エミッションゼロ

株式会社野村総合研究所

概要

NRIグループは2030年度までに温室効果ガス排出量を2013年度比で55%削減、データセンターの再生可能エネルギー比率36%を目標とし、2050年度には全ての消費電力を再生可能エネルギー由来のものにすることを目標としています。
NRIグループは旧来のデータセンターから環境性能に優れた新しいデータセンターへの移行を進めており、既に2018年度に温室効果ガスを2013年度比で38%削減しています。しかし、省エネによる削減は39~47%が限界と見ており、残りの5~16%の削減を実現するには、再生可能エネルギーの調達が必須と考えています。
また、NRIグループのデータセンターでは共同利用型サービスが稼働しています。この共同利用型サービスでは顧客企業が同等のシステムを個別に運用した場合に比べて、CO2排出量を73.9%削減できるという試算が出ています。
つまり、NRIグループの温室効果ガスの排出量を削減して共同利用型サービスのユーザを増やせば、社会全体の温室効果ガス排出量削減につながります。

説明

NRIグループの東京第一データセンターは、データセンターの未来形ともいえる「ダブルデッキシステム」を採用し、これをベースに複数の省エネルギー技術を組み合わせることにより、消費電力の大幅な削減を実現しました。ダブルデッキシステムは、サーバ機器を置くフロアと、空調や電源などの設備関連機器を置くフロアを完全分離する方式です。熱の発生源と空調システムを分離することで効率的かつ柔軟性の高い空調を実現し、消費電力の大幅な削減を可能にします。高温度部分に対して局所冷却を行うタスク空調とコンピュータ室全体を平均的に冷却するアンビエント空調などを組み合わせることにより空調の効率化を図っています。今後もこのような技術革新を進め、データセンターのさらなる省エネルギー化を進めていきます。
再生可能エネルギーの調達については、RE100の調達基準などの国際的な基準に適合した形で進めていきます。国内において再生可能エネルギーの調達には「つくる」「つなぐ」「つかう」の3つの観点で多くの課題が山積していると認識しており、そのような課題を関係機関などと調整しながら解決していきたいと考えております。
具体的には、規制緩和、価格の低減、発送電分離とコネクト&マネージ(送電の運用)の本格的実現、PPA(需要家が直接発電業者から購入できる仕組み)の実現、国際基準を満たすトラッキングシステムの確立などがあると考えております。
再生可能エネルギーの調達に関しては、グリーンファイナンスを活用した方式を検討、実践して、国内のグリーンファイナンス市場の拡大なども図っていきたいと考えております。既にNRIは、2016年9月に事業会社として日本初のグリーンボンドを省エネルギービルの取得のために発行しており、その後、国内でのグリーンボンド市場が拡大しました。再生可能エネルギーの調達に関しても、新しいファイナンスの形を使った資金の調達方法を考えていきます。具体的には、ブロックチェーン技術を用いたデジタル証券化を用いた調達方法を考えております。また、社会全体の温室効果ガス排出量削減を目指し、共同利用型サービスの拡大も図ります。

補足情報